2月のMONTURAツアーは沼津アルプスでした。
JR沼津駅からほど近い黒瀬バス停で下車して、カニ料理店の甲羅前を通り、見過ごしてしまいそうな香貫山登山口からスタートです。今回は香貫山から大平山まで全長約12.5kmの全山縦走です。沼津アルプスとは静浦山地の別称で、地元の登山愛好会によって1980年に名付けられました。標高は最高峰の鷲頭山で392mですが、海抜約0mから登り始めるため、累積獲得標高は1,100mを超えるなかなかの登りごたえあるコースです。
照葉樹のツヤのある葉が陽の光を受けキラキラと輝き、ケヤキやコナラなどの落葉樹や樹齢300年を越えるヤマザクラの巨木があり、また地形も様々で最後まで急登・急斜面あり、広くなだらかな尾根あり、岩稜あり、ナイフリッジあり、そして眺望も見渡せば富士や伊豆の山々から、眼下には駿河湾や太平洋が広がり、最後まで登山者を飽きさせません。
当日は暖かく風の無い登山日和の好天でしたが、一つ残念だったのが富士山周辺に山頂を覆う厚い雲が最後まで取れなかったこと。香貫山展望台と徳倉山からの立派な富士を見ていただきたかったのが心残りです。
徳倉山山頂です。愛鷹連峰の向こうに立派な富士が見えるのですが、この日は終日厚い雲に覆われていました。
その徳倉山の尾根にはヤマザクラが咲いていました。ここまで開花が早いのは河津桜でしょうか。
沼津アルプスの登りはどれも胸突き八丁の急登です。こういう時は焦ってはダメ、じっくりゆっくりと自分と向き合いながら、楽しいことを思い浮かべるか、または今晩は何を食べるか考えながら登るのがコツです。皆さん、それを実際されていたのか楽しそうでした。
徳倉山からの下り途中、値千金の景色が見られる「千金岩」からの景色。江浦湾の向こうは真城山から達磨山へ連なる猫越火山連峰。
右端が沼津アルプス最高峰の鷲頭山、そしてここは大トカゲ場。「トカゲになる=日向ぼっこする」という例えから付いた名です。ポカポカ陽気に皆さんお眠になっています(笑)
鷲頭山山頂では思わぬ方と偶然出会ってびっくり!
この日はトラベルギャラリー社の奥沼津アルプスでの登山講座だったようです。木元康晴ガイドは山と渓谷や岳人ほか多くのメディアでの執筆多数、著書も多く山岳ライターとしても大人気のガイドです。最近は「にっぽん百名山 甲斐駒ケ岳」の回に出演されていました。そして私たちの山岳会の大先輩でもあります。
沼津アルプスの見どころの一つ、ウバメガシの純林です。ウバメガシは暖かい海岸部の乾燥した地に生える樹木で、大平は日本の北限に当たります。海岸林の代表樹ですが、特に大平山付近の岩尾根のナイフリッジに密生して生える姿は圧巻です。ここまで急なアップダウンを繰り返し疲れている心身に、身をくねらせて痩せた険しい地に逞しく生えるその姿がエネルギーを与えてくれます。ちなみにこのウバメガシは備長炭の原料です。
そして下山後は自分へのご褒美のグルメ!下山口の多比バス停から途中下車し、沼津港まで歩きます。
行き先はいつもの「魚河岸 丸天」。名物かき揚げ丼を食しました、が、この日も完食ならず!くやし〜〜〜ぃ!!
皆さん、大平山からのウバメガシが密生する痩せ尾根歩きを気に入られたようで、「次は奥沼津アルプスに挑戦したい!」との声も。
皆さま、お疲れさまでした!
ようへい